NBCテレビで、深夜12時30分過ぎから毎日放送している"Late Night with Conan O'Brien"は、私の好きな番組だ。何時もはニューヨークのNBCスタジオで録画しているのだが、今週はカナダに遠征している。そしてトークコーナーのゲストにはカナダ出身のスター、マイケル・J・フォックスやマイク・マイヤーズを呼んでいる。自国のスーパースターたちの登場に、観客達は当然のごとく大喜びだ。 この2人に限らず、カナダ生まれの俳優、歌手と言うのは意外に多い。ダン・エイクロイド、ジム・キャリー、セリーヌ・ディオンにシャナイア・トゥエイン、それにキアヌ・リーブスもカナダ育ちだし、「スター・トレック」のカーク船長ことウィリアム・シャトナーもカナディアン。知らなかったが、渋い脇役で光る性格俳優、ドナルド・サザーランドもカナダ出身だそうだ。もちろん、彼らとアメリカ人を見分けるという事はなかなか出来ないので、プロフィールを知らない限りはカナダ人だなんて気付かないだろう。日本人とスウェーデン人なら見分ける事は容易だが、アメリカ人とカナダ人というのは至難の業だ。 そもそも、アメリカとカナダは何が、どう違うのか?両者は「北米」なんていっしょくたにされる事が多い。だがこれは、カナダ人にとっては自らの存在基盤を揺るがされる、切実な問題に違いない。もっと言えば、アメリカの同類や付属品みたいに思われるのは、カナダ人にとっては耐え難い事のはずだ。カナダ人じゃないから断言は出来ないが、もし自分がカナダ人なら、アメリカ人と勘違いされるのは決して愉快じゃないはずである。 良くも悪しくも”強大”なアメリカ(カナダも”巨大”な国土を持っているが)のすぐ隣りにいて、個性を発揮していく事はしんどい事だ。だからカナダ人は、自分がカナダ人であることに誇りを持ち、独自性をとても大切にしていると言う。そしてアメリカ人は無知で、押し付けがましくて、傲慢かつ傍若無人な隣人に見えているのではないだろうか。これは決して、単純なステレオタイプではないはずだ。だいたい似通った顔で、同じような文化を共有している人が隣りにいると何となく気にいらない、というかムカつくぞ。相手の国がスポーツの試合なんかで負けると、内心やっぱり嬉しい、あまりでかい声では言えないけれど…というところだ。黙って手をこまねいていると、強いほうに吸収されてしまうからね。 それでもカナダには凶悪犯罪がずっと少ない、と言うことを聴くと、やはり考えさせられてしまう。似ているようで、何かはっきりとした違いがあるのだろう。そしていま「カナダの現首相ってなんて名前だっけ…」と一生懸命思い出している自分がいる。こんなことでは、アメリカ人の事を笑う事は出来まい。
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ジャネット・ジャクソン、牛丼、いったいどうなってしまうのだろう。 並べて心配するものではないかもしれないが、気になってしまう。ジャネットのあの程度の「ポロリ」が問題だとすると、むかしフジテレビが「火曜ワイドスペシャル」の枠で放送していた、芸能人水泳大会なんか一体どうなってしまうんだ。まぁ水泳大会は、視聴率40%以上で世界200カ国に放映されていた訳では無いが… そして重要なことは、ジャネットも牛丼も、この世から消え去ってしまったとしても別に困らないものであると言う事だ。牛丼ファンは私を含めて多いが、牛丼が無くなっても特に問題がおきる訳では無い。 そういう意味では、野球なんかもそうである。野球が無くなっても誰も困りはしないのだ。メジャーリーグがストをやるとか2年前の一時期ほざいていたが、結局困るのは自分達である。巨人が無くなっても困るのは徳光氏くらいで、後の人は寂しいかも知れないが困りはしない。だからストをやるならどんどんやれ、と当時は思っていた。ストが土壇場で回避された時「野球ファンの思いが通じた」とか言う人がいたが、そんなもの通じているはずがない。牛丼がなくなって本当に困るのは吉野家とその周辺業者なのだ。 ところで「あいのり」という番組をご存知であろうか。こちらでは、土曜日の夜10時から放映している。私は見ていないが、どんなストーリーの番組かは知っている。ズバリいうとヤラセ番組であろう。しかし「『あいのり』や『ガチンコ』はやらせだ!」などと声高に叫ぶ事ほど格好悪い物はあるまい。言わなくても誰もが知っているからだ。それを分かった上で楽しむものである。プロレスを見て「これは筋書きがあるんだ!どうしてロープに振られた相手は自分から戻ってくるんだ!」とマジになって怒るのが馬鹿らしいのに似ている。 ただ私的には、この番組は刺激がなさ過ぎて面白く無い。ただワゴン車に同乗して世界中を旅しながら、ぬる〜い恋愛をする、というフォーマットが延々続くだけだからだ。どうせなら、以下のような刺激が欲しい(ニックネームは仮名) 「ミャンマーで合流した新メンバーを集団リンチ!」 「”まさっち”が反政府ゲリラに監禁!暴行!その時メンバーは?」 「借金地獄の秘密!日本に帰るに帰れないメンバーの告白に動揺」 「ラブワゴンが地雷踏んで大破!メンバーの命は?」 「”Oちゃん”と同行スタッフの、ドロドロの不倫発覚!」 「フジテレビからの送金が途絶え、同行スタッフとメンバーに対立発生! 極限の飢餓の中で、体売って生計を立てる”ラグビー”ら男性陣は…」 |
ふとしたことから「金曜日の妻たちへ」という不倫ドラマのことを思い出した。
これは1980年代にTBS「金曜ドラマ」という枠で放送されていたシリーズだ。パート1・2・3とあるのだが、私は1と2に関してはあまり印象が無い。パートIIIの「恋におちて」という作品がとても好きで…当時高校生だったが、なぜかこの大人の不倫を描いた作品がとても好きだった。 同名のタイトル曲を小林明子という人が歌って大ヒットした。ドラマが好きになると共に、この人の歌う歌も凄く好きになりレコードを買うようになった。化粧品のキャンペーンソングになった「くちびるスウィング」とか、アルバム「恋におちて」に収録された「Stardust Memories」は大好きな曲だ。最近はどうしているのかな、と思いきやロンドンに活動拠点を移していらっしゃるようだ。公式サイト この「恋におちて」という曲なのだが 迷子のように立ちすくむ 私をすぐに届けたくて という歌詞があって「ダイヤル」という所に時代を感じてしまう。でも「ダイヤル」は、まだクラシックな感じがするし、長年使用されてきたので良いかもしれない。「ポケベル」とかの方が古臭くなりやすいかもしれない。別の歌手で「ポケベルがならなくて」とかいう曲もあった。 それはともかく、ドラマは大変好きで、この金妻シリーズにより「不倫」が流行語のようになってしまった。どれくらい不倫が実行されたかは知らないが、当時昭和天皇にまで質問した記者があったらしい。天皇は「あれはよくないネ」とお答えになったそうだ。ということは、逆に言えば、陛下はあのドラマをご覧になっていたのであろうか。 他にも好きなドラマはたくさんあった。今ではすっかりドラマと疎遠になってしまったが、そういう話はこの欄と、あと「純喫茶ボボン」でもやっていきたいと思う。 |
先日マクドナルドに行った。 日本のマクドナルドでも「スマイル ¥0」とか書いてありニッコリしてくれるが、アメリカのマックは実際のところそうでもない。というか、とんでもなく無愛想で仕事の能率が悪い店員が多いように思われる。以前「ケチャップをくれ」というと、レジの姉ちゃんはケチャップの小袋をわしづかみにして、私のトレーに投げつけた。あとから数えてみたら、12袋のケチャップがあった。 ところがこの日は違っていた。私の担当になった女の子は、スマイル!と言いながら、私にむかって微笑むのだ。しかも私が新聞を持っていたのをめざとく見つけて「ねぇ、ジャネット・ジャクソンの(スーパーボウルでの出来事)、あれはアクシデントなんでしょ?」とか親しげに話し掛けてくるではないか。 こんな人はニューヨークに来て初めてだ。私は予想外の出来事に彼女と話しながら、すっかりペースを狂わされてしまった。 するとマネジャーらしき中年の女性がやってきて、レジにいる店員全員に「スマイル!スマイルよ!」と叫ぶではないか。なんだこれは?と思っていると、さっきまでにこやかだった女性店員は私に向かって、もの凄い形相で「私はさっきからずーっと微笑んでいるわ、ねぇそうよね!」と訴えかけてきた。 私は「ああ、彼女はとても良く微笑んでいるよ」とそのおばはんマネジャーに報告した。店員は皆大笑いしたが、スマイル店員はもう笑っていなかった。 よく見ると店の中に「当店の店員は皆スマイルを心がけています。もし微笑んでくれなかった場合は、次回いらっしゃった時にフライドポテト(s)をプレゼントします」というお知らせがあった。
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♪勝った勝った また勝った 弱いクリッパにまた勝った というところだ。クリッパーズのファンの方には申し訳無いのだが、筆者は関西出身の人間なのでどうしてもこういう言葉が出てしまう。今夜もニックスは、ロサンゼルス・クリッパーズを110-104で下し、これで5連勝となった。ステファン・マーブリーは42得点の大活躍。ニックスは5割まであと「2」にまで漕ぎ着け、プレーオフ進出がいよいよ見えてきた(これには大西洋地区のチームが、首位のネッツ以外軒並み負け越していると言う事情も多分にあるのだが…)。 ニックスの首脳陣は、スコット・レイデンGMにドン・チェイニーHCという顔ぶれであった。しかしこの二人、本当にファンから評判が悪かった。、まずレイデンが打つ手、トレード戦略はことごとく失敗してきた。ファンが好きだった選手達を切った上プレーオフに出られない、取った選手は計算外でチームは弱体化する一方というのでは、嫌われるのも当然の話である。チェイニーも勝てないのにクビが切られる事無く、ずっと居座りつづけたものだから、MSGのファンは「チェイニーはクビだ!」の大合唱で、フロントの人事に異議を唱えた。そういえば、私はチェイニーをMSGの前で見かけたことがある。大変大柄な男だったが、あまりシャープな印象は受けなかった。 しかし昨年末、レイデンは遂に解雇された。変わって球団代表・GMに就任したトーマスはチェイニーを切り、大ベテランのレニー・ウィルキンスをHCに据えた。そしてマーブリー、アンファニー・ハーダウェイをトレードで獲得すると言うチーム大改造を断行し、一種のショック療法でチームと、そしてファンにカツを与えたのである。これには負けにすっかり慣れきっていたファン達も、何か新しい事が始まるのでは、という期待感を持った。皆、新しい血と救世主の登場を待ち望んでいたのである。 2月3日、ニックスは本拠地にインディアナ・ペイサーズを迎えた。このペイサーズ、NBAを代表する強豪だが、昨年までトーマスがHCとして指揮を取っていたチームである。トーマス率いるペイサーズはプレーオフの常連であったがファイナル進出はならず、トーマスは新たにチームのフロント入りしたラリー・バードにより解雇された。バードは現役時代はボストン・セルティックスで活躍したが、元々は「フージャー」であり、インディアナでは英雄的存在だ。しかもトーマスの前任者として、チームをファイナルまで進出させた実績を持っている。そのバードがトーマスを解雇したことは様々な憶測を呼んだ。元々この二人、現役時代から様々な問題があったのである。トーマスが舌禍事件を起こしたのがその発端であるが、その因縁は今も続いていたことになる。両雄並びたたず、このジンクスはインディアナで生きていた。 試合は接戦の末、ニックスがペイサーズを破った。コートサイドの通路で試合の行方を見守っていたトーマスは、勝利を確信すると軽くガッツポーズを見せてロッカーへと消えていった。一応は小さなリベンジが達成された事になるが、こんな勝利だけでは満足するはずはあるまい。プレーオフに出場して、ペイサーズを破ってこそ本当のリベンジなのである。 ともかく、トーマスはNY向きの人間である。もともとシカゴの最下層から這い上がってきた彼にとっては、ニューヨークは魅力的なはずである。ここでは、勝者は王様になれるのだ。しかし敗者は唾をかけられる。その刺激は、現役を退いて10年になるトーマスのファイティング・スピリットに火をつけたはずだ。トーマスは「バスケットボールをプレーする事のプレッシャーなんて、シカゴのスラムを生き抜いていくことに比べたらなんでもなかった」と言っている。だがトーマスには、もう一度サバイバルして欲しい。ニューヨークで生き抜き、生き残り、最後の勝利を勝ち取ると言う名のサバイバルを。 |
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